「3時間にわたって会社の担当者に囲まれ書面にサインせざるを得なかった。」この言葉を聞いて何を想像しますか?

これは技能実習生の言葉です。この言葉を発したのは元技能実習生の男性です。自身が希望していないのに〔意思確認書〕という書面にサインをしてしまいました。
この元技能実習生の男性はビルクリーニングの職種で「技能実習」として東京で働いていました。
彼が働いていたのは東京にあるホテルでの業務を担当していました。毎月、一生懸命はたらき、母国の家族への仕送りと、日本に来るために支払った借金の返済をしながら、日本語の勉強に励む生活をしていました。しかし新型コロナウィルス感染の影響でホテルの仕事が減り、会社の寮に待機することが増えました。

そして突然、5月には退職して寮を出るよう会社から迫られたそうです。退職する時、会社にサインをするよう求められたのが〔意思確認書〕という書面です。

〔意思確認書〕の内容は、
・実習を途中で中止して帰国すること
・意思に反して帰国するものではないこと
などが記載されています。

厚生労働省によると、新型コロナウィルス感染の影響で会社の経営が悪化したとして解雇された実習生は、8月28日時点で3,248人に上っています。
このように“解雇”された技能実習生は下記の通り“転職”することができます。

しかし、今回のように“自主退職”となった男性のような外国人は、転職する事ができず、同じ業種で別の受け入れ企業を探すか、見つからなければ帰国することになります。
〔失業保険〕が技能実習生であっても支給されますが、“解雇”と“自主退職”では、支払われるまでの期間、支払われる金額、支払われる期間も違ってきます。

厚生労働省が把握している解雇された実習生3,248人は、あくまでも会社都合で退職したと報告があった人数です。今回の男性のように、自主退職に追い込まれ退職した人数は把握できていませんので、もっと多くの実習生が退職しているかもしれません。

この男性は、ボランティア団体に助けを求め、“自主退職”のように〔意思確認書〕にサインを求められましたが本当は“解雇”だと必死に訴え、何とか転職ができるようになったそうです。
まだ日本に入国して間もない外国人は、日本語を理解する事ができませんので、求められたからといって、自身が理解していないのにサインをしてはいけません。この男性はボランティア団体の助けを借り、転職できることになりましたが、出来なければ諦めるしかありません。

3時間もサインを求め続ける会社もひどいですが、自身が理解できない書類にはサインをしてはいけません。それは日本人も同じ事です。早く新型コロナウィルスが収束し、日本人も外国人も安心して仕事や生活が出来るよう期待します。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。