外国人技能実習機構より、外国人労働者の労働災害が増加していることで、「安全衛生教育教材」と「安全衛生に関する相談窓口のご案内」が掲載されました。

労働災害とは、労働者の業務上または通勤途上のケガ、疾病、障害、死亡のことです。大きく2つに分かれています。
【業務災害】
労働者が業務上でケガ、疾病、障害、死亡した場合
【通勤災害】
労働者が通勤途上でケガ、疾病、障害、死亡した場合

仕事中に発生したケガや死亡事故の全てが労働災害として認められるわけではありません。社内で階段を踏み外して骨折した場合は、労働災害になります。昼休みに会社の空き地でサッカーをしていて骨折した場合は、仕事が原因のケガではないため労働災害になりません。

厚生労働省が公表した2020年の「労働災害発生状況」による外国人労働者の労働災害では、日本国内全体の労災の死傷者数が減少する一方で、日本で働く外国人が増加したこともあり、労災の数も急増しています。
【2020年度 外国人労働者の死傷者数】
・死傷者数:4,682人
・死者数:30人

【2020年度 国籍別】(カッコ内は2019年度)
1位 ベトナム:1245人(925人)
2位 中国:707人(599人)
3位 フィリピン:682人(579人)
4位 ブラジル:624人(683人)
5位 インドネシア:220人(197人)

【2020年度 在留資格別】(カッコ内は労働者の総人数)
1位 地位又は身分に基づく在留資格:2035人(54万6469人)
  ※具体的には「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」
2位 技能実習:1625人(401万2356人)

日本人労働者と外国人労働者の労災で死傷する割合はどうでしょうか。2020年度で比べてみると、日本人の労災事故による死傷者数は13万1156人で労働者は約6666万人ですので、労災事故の割合は約0.2%となります。一方で外国人労働者の死傷者数は4682人で労働者は172万4328人ですので、労災事故の割合は0.27%となり、外国人労働者の方が1.4倍高いことになります。

もっとも死傷者数の多い業種は、
1位 製造業:2273人
2位 建設業:797人
ではどのような事故が多いのでしょうか。

●民家の屋根を補修する作業中に、転落して亡くなる
●外壁の改修工事中に、転落して亡くなる
●工場で作業中、プレス機に挟まれて亡くなる
●ベルトコンベアに砂を載せる作業中、ローラーに巻き込まれ腕を切断する
といった事故が発生しています。いずれも外国人労働者だからという事ではなく、日本人労働者であっても起きりうる事故です。

日本語だけではありませんが、きちんと日本語を理解できないまま作業を行い、安全対策を取らずに作業を行い事故に遭うケースも多いでしょう。ですので、外国人を受け入れている企業の皆さま、外国人労働者を管理サポートする監理団体や登録支援機関の皆さまは是非、このようなツールを使用し、外国人にきちんと説明を行うようにしてください。厚生労働省のホームページにも外国人労働者の安全衛生対策についての記載がありましたので、ご紹介させていただきます。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

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