「技能実習」実習実施者に対する2021年の監督指導状況
厚生労働省は2021年に行った、技能実習生を受け入れた企業(実習実施者)に対して行った〔監理指導〕〔送検〕等の状況を発表しました。
【2021年の監督指導・送検の概要】
■労働基準関係法令違反が認められた実習実施者
監督指導を実施した事業者数:8,124事業場(実習実施者)のうち、5,752事業場⇒70.8%
■主な違反事項
(1)使用する機械等の安全基準⇒24.3%
(2)労働時間⇒15.7%
(3)割増賃金支払い⇒15.5%
■重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検した件数
32件
【監督指導の事例】
(1)使用する機械等の安全基準
・災害を契機に監督指導を実施し、フォークリフトとの接触防止等について指導
技能実習生とフォークリフトと接触し負傷した労働災害が発生したため、接触の恐れがある箇所に労働者を立ち入らせないための措置を講じることを是正勧告し、フォークリフト誘導時の合図について、技能実習生にも分かりやすい方法をとるように指導。
(2)労働時間
縫製業で働く技能実習生から「労働時間が短く集計されている」との申告があり調査を実施したところ、始業前の20分間の清掃を行っていたが、この時間が労働時間に参入されていなかった。始業前の清掃時間であっても使用者の指揮命令下にある時間は、労働時間であることを説明し、支払われていない割増賃金を計算し支払わなければならないと指導。
(3)割増賃金の支払い
繊維・衣服製造業の事業所で、技能実習生の時間外労働に対して、入国後一定の期間、1事案当たり500円の賃金しか支払っていなかった。法定の割増率(時間外労働は25%)以上で計算した割増賃金を支払わなければならないと指導。
監督指導した事業所数の70%以上に法令違反が認められたという事は、受け入れる企業の責任でもあり、監理し指導する監理団体の責任でもあります。このように一つずつ指導を行い是正を行えば、一つずつですが技能実習生の環境も改善し、仕事をする上での心配もなくなると思います。厚生労働省は度重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど、重大・悪質な事案に対して、送検を行い厳正に対応するとしています。
法令に沿い技能実習生の生活や仕事環境を整え、技能実習生が安心して仕事が出来る環境を提供している企業も多くありますので、このような法令違反は直ちに是正し指導していただきたいと思います。
本日も最後まで読んでいただき、
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