【1号特定技能外国人支援計画書】について
説明を続けたいところですが、
今後、特定技能外国人の受入を検討している
皆さまには、知っておいていただきたい
内容のテレビ番組がありましたので、
お伝えしようと思います。

“NHKスペシャル 「夢をつかみにきたけれど
ルポ・外国人労働者150万人時代」”

まず、下記の動画をご覧ください。
https://www.dailymotion.com/video/x7d7mai

この番組は、2019年7月13日にNHKで
放映されました。

「劣悪な環境で働かされ命をおとした
技能実習生」 「ベトナムの貧しい田舎から、
高い保証金を払って日本に来て、命を落とした
可哀想な技能実習生」


と思ったはずです。
あの番組の内容では、そう思っても
仕方がないと思います。

ベトナムの貧しい田舎から、高い保証金を
支払って日本にくる
  ↓
日本で技能実習生として、一生懸命働く
  ↓
毎日、一生懸命働いても、正しく支払われる
べき賃金が支払われない
  ↓
職場を逃げ出し、各地を転々とし、
“過酷”な肉体労働で一生懸命働く
  ↓
一生懸命働いた甲斐もなく、不法在留中に
“脳梗塞”になり “半身不随” “言語障害”
の後遺症がのこる
  ↓
“400万円”近い、手術費用などの
医療費を請求されている
  ↓
“ベトナム人僧侶”に助けを求める
  ↓
ベトナムに多額の借金を返済できない
まま、ベトナムに帰国する

これが事実なら、とても悲しい事だと
思います。
しかし、私はこの番組をとても
偏った視点から作成された番組だと
思いました。
これは、私の感想です。

●高い保証金を支払って日本にくる
“保証金”については、何度か説明した様に
現在の技能実習制度には、
“外国人技能実習機構” という、“法務省”と
“厚生労働省”が管轄する機関があります。

この機関に申請する書類の中に、送り出し機関
に支払った明細を提出する必要があります。
この申請書には、技能実習生のサインが必要
です。

「高い保証金を支払わないと日本にいけない」

これは技能実習制度の問題というより、
送り出す国の問題だと思います。
取り締まるべきは、日本ではなく、
送り出す国の、悪質な送り出し機関や、
ブローカーです。

●一生懸命働いても、正しく支払われるべき
賃金が支払われない

これが事実なら、訴え出るべき場所は、
・外国人技能実習機構
・監理団体
・労働基準監督署
・出入国在留管理局
です。
今は昔と違って、スマホやパソコンを
持っています。
SNSで連絡を取り合い、訴え出る先の
情報を得ることができます。

支払われないから失踪する

考えが安易過ぎます。

● 不法在留中に“脳梗塞”になり 
“半身不随” “言語障害”
の後遺症がのこる

失踪するということは、それまで
あった補償が受けられなくなると
いうことです。
・会社の健康保険補償
・任意で加入している医療保険補償
・監理団体からの支援
・賃金の補償
様々な補償です。
ケガをすれば、3割負担だった
病院の支払が10割負担になります。

不法在留中に脳梗塞になったのは、
悲劇だと思います。
しかし、“脳梗塞”になるリスクは、
日本人にも起こりえることで、
それは“不法在留中”だから起こった
事ではありません。

きちんと賃金が支払われ、一生懸命
働く誰にでも起こりえることです。

失踪し各地を転々とし、“過酷な労働”
をした=脳梗塞で半身不随になり、
言語障害になった


こじつけられ、捻じ曲がった番組の
内容だと思いました。

● “400万円”近い、手術費用などの
医療費を請求されている

では、この技能実習生は、手術を受け
た医療機関に、10割負担である、
“400万近い医療費”を支払って、ベトナム
に帰国したんでしょうか?
日本の医療機関は、健康保険の有無で
治療を行うか判断はしません。
来院した人すべてに治療を行います。

請求されるのは、治療を受ければ
当たり前です。
しかし、この技能実習生は支払って
帰国したかどうか分かりません。

支払っていなければ、治療費は誰が
負担するのでしょうか?
病院ですか? 相談を受けたベトナム人
僧侶でしょうか?

この問題を番組にするのであれば、
問題提起をし、その後どうしたか。
をきちんと放映するべきです。

● “ベトナム人僧侶”に助けを求める
もともと、求めるべき場所に助けを
求めていないことが問題です。

不当な扱い、高額な保証金の支払などで
あれば、出入国在留管理局へ訴え、
取るべき措置を取ってもらうべきです。

「この技能実習生は受入た企業へ
未払い賃金を受け取らず、半身不随になり
帰国し、多額の借金だけが残されたので、
あなたもこうなりたくなければ、
どうか日本に働きに来ない方が良い」

と言いたかったのでしょうか。
私は違います。

・内容が理解できていないのに、契約書に
 サインはしないでください
・自身が支払った金額の内訳を、きちんと
 理解し、サインしてください
・日本に行きたいだけでなく、自身が行う
 業務や給与を理解してください
・上手い話にのせられないでください
・失踪するリスクを理解してください
・訴え出るべき機関を把握してください


技能実習制度を擁護するつもりはありません。
こういった不当に搾取する、送り出し機関や、
受入企業もあるのは事実でしょう。

しかし、偏った報道や、情報を伝えるのは
止めていただきたいと思います。

せっかく、【特定技能】という資格ができ、
日本で働きたい外国人には、可能性が大きく
広がり、受け入れる企業、両方に良いメリット
のある制度ができました。

偏った報道や、情報が、広がった可能性を
狭くしてしまう事もあります。
どうか、受入を検討されている企業は、
正しい情報の元、受入をしていただきたい
と思います。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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