日本に在留する外国人が特定技能へ変更(税金の納税)②

留学生, 社会保険

では、前回に引き続き、留学生の 「国民年金の免除・猶予の特例制度」 について説明したいと思います。

今回、「留学」から「特定技能」へ在留資格を変更する予定の女性は、〔保険料免除制度・納付猶予制度〕※1 の手続きを行いました。
◆保険料免除制度・納付猶予制度とは ※1

収入の減少や失業等により、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合の手続です。
免除される金額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

彼女は所得が少なく(留学生は週28時間以内のアルバイトが決まりです)前年所得は、日本に初めて入国してきましたので、当然日本での収入もありません。
通常、日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられています。しかし、留学生や学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される〔学生納付特例制度〕※2 が設けられています。
◆学生納付特例制度とは ※2
本人所得が一定以下(注1)の学生(注2)が対象となる特例制度です。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。
(注1)本年度の所得基準(申請人本人のみ)
118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等
(注2)学生とは、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校(※1)、一部の海外大学の日本分校(※2)に在学する方で夜間・定時制過程や通信過程の方も含む。ほとんどの学生の方が対象となる
(※1)各種学校
修業年限が1年以上の過程に在学している方に限る、(私立の各種学校については都道府県の知事の認可を受けた学校に限る)

(※2)海外大学の日本分校
日本国内にある海外大学の日本分校等であって、文部科学大臣が個別に指定した課程

対象となる学校は『学生納付特例対象校一覧』により確認ができます。

よって、都道府県の知事の認可のない学校が、〔学生納付特例〕制度の対象になりませんので、〔保険料免除制度・納付猶予制度〕により、免除申請をする必要があります。この制度は、毎年更新する必要があります。

突然、高額な年金保険料の支払通知書が届くこともありますので、申請は忘れずに行いましょう。

◎学生納付特例リーフレット(2019年5月7日)
◎知っていますか?保険料の免除制度(2019年5月7日)
◎これだけは知ってほしい国民年金の免除制度(2016年7月1日)
◎国民年金保険料の追納をおすすめします(2019年4月1日)

日本に初めて入国する外国人には、到底理解できない制度がたくさんあります。
しかし、日本に在留する以上、必ず加入しなければならない制度があります。
きちんと説明し、理解した上で、外国人が手続き出来ないのであれば、受入れ企業の担当者や、生活をサポートできる方がきちんと加入手続きをするべきだと思います。

今回、日本語学校ではまったく手続きを取っていなかったため、すぐに特定技能として申請できた書類が、国民年金の加入と免除申請が完了後、申請することになり約2ヶ月遅くなります。
今後、申請を控えている企業や登録支援機関の方は、まず、外国人が提出するべき書類を確認してください。

もし手続きが取られていなければ、外国人と同行し早急に手続きをしてください。このような事が、「特定技能」の受け入れが進まない原因の一因でもあると思いました。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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