外国人労働者の労災事故

厚生労働省, 統計データ

2019年に岡山県内の鋳物製造会社で実習中だった、20代のベトナム人技能実習生が作業中に誤ってベルトコンベアに巻き込まれ右腕を切断した原因は、作業内容の説明が通訳なしで行うなどし指導監督が不十分だったためとして、実習を行っていた会社に対して総額約8960万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

2020年度日本国内の労災事故死傷者数

13万1156人

外国人の労災事故の死傷者数:4682人(内、死亡者数:30人)
【国別】
①ベトナム:1245人(2019年:925人)
②中国:707人(2019年:599人)
③フィリピン:682人(2019年:579人)
④ブラジル:624人(2019年:683人)
⑤インドネシア:220人(2019年:197人)
【在留資格別】
①地位又は身分に基づく在留資格:2035人
(例えば「永住者」「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」「定住者」
②技能実習:1625人
③資格外活動:326人
【職業別】
①製造業:2273人
②建設業:797人
◆会社側の明確な安全衛生法違反の例
・高所での囲いの設置
・墜落制止用器具の適切な使用確認
・機械操作の特別教育
・機械の囲い設置等
【事故の型別】
①はさまれ・巻き込まれ:1035人
②転倒:605人
③切れ・こすれ:587人
④動作の反動、無理な動作:524人
⑤墜落、転落:375人

令和2年の労働災害発生状況を公表(厚生労働省のホームページより)

外国人労働者の労災で死傷する事故は、日本人労働者が事故をする割合に比べ1.4倍ほど高いことも分かっています。
日本語が理解できない外国人にとって、機械の操作方法や安全確認の仕方などは必ず通訳を介して理解することがあ重要ですが、かとことの日本語や身振り手振りで理解してもおうとした結果、重大な事故につながる可能性が高くなります。

事故が起こった後に後悔してもどうすることも出来ません。最初に紹介したベトナム人技能実習生が腕を巻き込まれ切断したことも、同じ職場で働く者の間では、それが日常だったのかもしれません。
“なんとなく”お互いが理解でき、機械の操作もなんとなくこなす事ができ、業務が滞りなければお互いに仕事に支障がなかったはずです。

しかし、腕を切断するような大きな事故になり、普通だった日常が取り戻せなくなったために実習していた会社を訴える事になったあのだと思います。
こうした事故がなくなるよう、雇用する側の会社、そこで働く日本人、外国人共に行動に責任を持ち働くことが大切です。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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