さまざまな在留資格で日本に滞在し、新型コロナウィルス感染症の影響で母国に帰国できない外国人が多く在留しています。もし帰国できるとしても、出国前のPCR検査、帰国飛行機の予約、母国に到着後のPCR検査、到着後に待機するためのホテルの予約、ホテル待機中の食事など帰国前後に準備することが多いはずです。

最近ですが帰国する外国人に向けた“特別帰国パック”なるものが販売されています。これは民間の旅行会社から発売されており、以下の内容が含まれ販売されています。
〇成田国際空港⇒母国までの航空運賃(エコノミークラス片道)
〇日本出発空港の空港税および燃油サーチャージ等諸費用
〇託送手荷物費用/機内持ち込み手荷物費用
〇母国到着後の2週間の隔離用ホテル費用(ホテルでの1日3食の食事付)
〇母国到着後の空港から隔離用ホテルまでの送迎費用
〇ホテル滞在中のPCR検査費用
以上のパックで販売されています。

技能実習生の帰国旅費の負担に関しては、【技能実習法】によってこう定められています。(簡単に記載します)
■帰国旅費の負担に関するもの(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備)
規則第12条
企業単独型は受け入れ企業、団体監理型は監理団体が技能実習の終了後の帰国費用に要する旅費を負担する。そして技能実習の終了後、技能実習生が円滑に帰国できるようにしなければならない。帰国旅費の全額を負担し「必要な措置」として技能実習生が帰国するまでの間、生活面などで困ることがないように、技能実習生が置かれた状況に応じて支援を行う事。いかなる理由でも技能実習生に負担させることは出来ない。自己都合、会社都合であっても技能実習生に帰国費用を負担させることは出来ない。
帰国予定の技能実習生の在留資格が、帰国が困難である等の事情により他の在留資格に変更された場合であっても、同様です。

では上記のような帰国パックになっている場合はどうなるのでしょうか?パック費用を全額負担する必要があるのでしょうか。その件について外国人技能実習機構に確認を取りました。回答は以下となります。

Q:帰国旅費がパックになっている場合、費用の全額を受け入れ企業、監理団体が負担する必要があるか
A:PCR検査等は帰国のために通常要する費用とはいえない(外国人技能実習機構のHPのQ&Aに記載ありQ16)ため、技能実習生本人の負担となる。しかし、母国に帰国する航空運賃は負担しなければならないため、帰国パックの各項目の明細がでるのであれば航空運賃のみ負担すること。ただし明細が出ない場合は、帰国パック費用の全額を負担することになる可能性もある。これは技能実習生が帰国するために必要な措置であると考えるため。

このようにコロナの影響や、自己都合で帰国する場合など様々な理由の帰国がありますが、どのような場合でも技能実習生に帰国費用を負担させることは出来ません。かといって帰国する費用負担が多い場合は、簡単に全額を負担するのではなく、帰国パックを販売している先に各項目にかかる費用を確認して下さい。旅行会社が販売している事が多いので事情を説明し、明細書を発行してもらってください。

帰国費用でもめる場合もあります。うやむやにせずきちんと確認をとり技能実習生が問題なく帰国できるようサポートしていきましょう。すべてのパック便ではありませんが、パック費用の約半分が航空チケット費用と考えておいてください。

日本語能力試験〔JLPT〕第2回試験 2021年12月5日(日)

2021年8月26日より申込みがスタートしています。受験される方はお早めに申込み下さい。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事一覧