技能実習生 化粧品を窃盗し母国で転売

技能実習制度, 犯罪

コロナウィルスが感染拡大する前になりますが、日本へ観光に来た中国人が観光先の電気店や、免税店、ドラッグストアなどで大量に商品を購入する【爆買い】という言葉がはやりました。千円単位ではなく何百万単位で商品を購入します。私も海外へ旅行に行く際に、日本の空港の免税店で大量のお土産や家電製品を購入している中国人を見かけた事があります。その商品は中国に帰国した際に、家族や友人、知人などへのお土産でしょうか。それとも日本製の商品を中国で販売するのでしょうか。

日本製の商品は品質が良いため、海外ではとても人気があります。例えば化粧品や薬、赤ちゃん用のおむつも一時期とても人気がありました。これらの購入した商品を“転売”することはすべてが違法となるわけではありません。しかし盗んだ物を転売することは犯罪です。

今月ですが、北海道の帯広市や札幌市内など道内のドラッグストアで医療品などを繰り返していたベトナム人3人が逮捕されました。彼らは2021年11月から北海道内のドラッグストアで医療品など28点(約400万円)を万引きし逮捕されました。逮捕された中の2人は技能実習生として帯広市内の建設会社で勤務していましたが、2020年に在留資格が切れていました。盗んだ医療品や化粧品は、大阪の知人を介しベトナムに送り販売していたようです。「コロナの影響で仕事がなくなり万引きを始めた」ということです。

どんな理由があったとしてもお金を払わず盗む行為は【窃盗罪】となり、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。もし自分は盗みをせず転売だけを行った場合はどのような罪になるのかご存じですか?

1⃣盗んだ物だと知って転売する

自分が売った商品が盗んだ物(盗品)だとしって転売した場合【盗品等関与罪】に該当することがあります。盗んだ物を受け取り、運搬して転売する行為です。盗んだ物をタダで譲り受けた場合は3年以下の懲役、お金を支払い受け取る、運搬や保管した場合は10年以下の懲役および50万円以下の罰金です。
そして商品を盗む計画を知っていたり、盗む行為に協力した場合は【窃盗罪】の共犯となる可能性もあります。

2⃣盗んだ物だと知らずに転売する

盗んだ物だと全く知らずに購入し、適正価格で販売した場合は基本的には罪に問われることはありません。しかし盗んだ物だと薄々分かっていながら購入した場合「盗んだ物だと知らなかった」では済まされません。1⃣の盗んだ物だと知って転売する行為は【盗品等関与罪】や【窃盗罪】に該当する可能性があります。

安易にSNSなどで販売している事は警察も知っています。自分だと分からなければ大丈夫だと思っていても、1人が捕まると芋づる式に逮捕される可能性があります。受入れ企業や監理団体の皆さんは、軽い気持ちで万引きしたもの、自分で購入したものを転売する行為は犯罪になります。日本に在留する外国人が犯罪に関わった場合、日本で裁判を受け現在付与されている在留資格をはく奪される、もしくは在留資格が更新されないなど大きな問題にもなりますので、受け入れている技能実習生や特定技能外国人には注意してください。

そもそも医療品や酒類などを販売するには免許が必要とされていますので、【窃盗罪】や【盗品等関与罪】以外にも罪に問われる可能性があることを充分に注意してください。技能実習生の心配事や悩みなどの相談にのるなど、充分に私生活の面でも目を配るようにしてください。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

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