不法残留の外国人 コロナの影響で強制送還できず「仮放免」

新型コロナウィルス

法務省では、入管法等に違反し退去強制手続きの対象となった外国人を拘束して、日本国内の施設に収容しています。しかし病気などやむを得ない場合には、定期的な出頭や行動範囲制限といった条件付きで「仮放免」=釈放が認められているのはご存知ですか?

◆仮放免制度の趣旨
退去強制手続は,身柄の収容を前提として行われるところ,収容されている者について,病気その他やむを得ない事情がある場合,一時的に収容を停止し,一定の条件を付して,例外的に身柄の拘束を解くのが仮放免制度である。

◆仮放免の許否判断
(1) 仮放免の許否は,仮放免請求等に基づき,個別の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案して判断されるものであり,許否に係る基準はないが,その許否判断に当たって考慮する事項は,出入国管理及び難民認定法第54条第2項及び仮放免取扱要領第9条において次のとおり定められている。

  • 被収容者の容疑事実又は退去強制事由
  • 仮放免請求の理由及びその証拠
  • 被収容者の性格,年齢,資産,素行及び健康状態
  • 被収容者の家族状況
  • 被収容者の収容期間及び収容中の行状
  • 出入国在留管理関係の処分等に関する行政訴訟が係属しているときは,その状況
  • 難民認定申請中のときは,その状況
  • 出身国・地域の政府又は大使館・領事館等との間の送還手続に係る調整の状況
  • 有効な旅券を所持していないときは,その正当な理由の有無
  • 身元保証人となるべき者の年齢,職業,収入,資産,素行,被収容者との関係及び引受け熱意
  • 逃亡し,又は仮放免に付す条件に違反するおそれの有無
  • 日本国の利益又は公安に及ぼす影響
  • 人身取引等の被害の有無
  • その他特別の事情

(2) ただし,仮放免を許可することが適当とは認められない者(①から⑧に該当する者又はそれらに相当する者)は,収容に耐え難い傷病者でない限り,原則,送還が可能となるまで収容を継続し送還に努める。特に,①から④に該当する者については,重度の傷病等,よほどの事情がない限り,収容を継続する。

  • ① 殺人,強盗,人身取引加害,わいせつ,薬物事犯等,社会に不安を与えるような反社会的で重大な罪により罰せられた者
  • ② 犯罪の常習性が認められる者や再犯のおそれが払拭できない者
  • ③ 社会生活適応困難者
  • ④ 出入国管理行政の根幹を揺るがす偽装滞在・不法入国等の関与者で悪質と認められる者
  • ⑤ 仮放免中の条件違反により,同許可を取り消し再収容された者
  • ⑥ 難民認定制度の悪質な濫用事案として在留が認められなかった者
  • ⑦ 退去強制令書の発付を受けているにもかかわらず,明らかに難民とは認められない理由で難民認定申請を繰り返す者
  • ⑧ 仮放免の条件違反のおそれ又は仮放免事由の消滅により,仮放免許可期間が延長不許可となり再収容された者

しかし、新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、施設に収容されている外国人の密集を避けるため「仮放免」の活用を促し、2019年12月に全国で約1,000人だった収容者が2020年7月で約520人に半減しました。

通常、施設に収容されている外国人は、早期に日本出国の意思を示した場合、「出国命令手続」に移行し送還となりますが、現在、海外渡航禁止などで日本から海外に向けて飛ぶ飛行機が限定され思うように送還することが出来なくなっていますので、こうした「仮放免」という処置になっているのでしょう。

こうした「仮放免」が急増する中、イラン国籍の男が、コカインを使用したなどとして麻薬取締法違反(使用)容疑で逮捕され、入管施設に移送されていたが2020年4月に仮放免され、その後所在不明となっていたところ、7月2日、覚せい剤を販売目的で所持したとして逮捕されています。

このように入管法に違反し、施設に収容されている外国人が、新型コロナウィルス感染拡大対策として「仮放免」され、更に犯罪を犯し再度施設に収容されるといったケースも出てきています。

入管局の施設での収容は度々、問題視されていますが、犯罪を犯し収容されている外国人が「仮放免」され更に犯罪を犯している事は、「本末転倒」ではないでしょうか。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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