外国人の年末調整
そろそろどの企業でも「年末調整」の時期かと思います。会社員や公務員などは毎月の給料から税金が天引きされています。給料から税金が事前に差し引かれていることを「源泉徴収」といいます。しまし、毎月納めている納税金額は必ずしも正しいとはいえないため、年末に最終的な納税額を調整します。
会社が年末調整をすることによって、その年に収めた税金が払いすぎの場合には還付され、不足している場合には徴収するという手続きを行い納税が完了します。そして「年末調整」で受けられる控除も様々です。
●基礎控除
●配偶者控除・配偶者特別控除
●扶養控除
●障害者控除
●生命保険料控除
●地震保険料控除
●社会保険料控除
●住宅ローン控除(2年目以降)
などです。会社員の私たちの場合は〈扶養控除〉〈生命保険料控除〉〈地震保険料控除〉〈住宅ローン控除〉が主な控除でしょう。そして日本に在留する外国人にも「年末調整」を行います。技能実習生や特定技能外国人の場合、母国の家族へ送金し、生活費や教育費に当てている事が多いでしょう。そのため、「年末調整」を行う際、提出しなければならない書類がありますので、ここで再度確認していきたいと思います。
日本に在留する外国人が、様々な控除を受ける場合には母国に居住する親族に係る「親族関係書類」「送金関係書類」が必要となります。
「親族関係書類」とは?
「親族関係書類」とは、次の①または②のいずれかの書類です。国外に居住する親族が、日本に在留する外国人の親族であることを証明するものをいいます。
①戸籍の附票(写)、その他国または地方公共団体が発行した書類及び国外に居住する親族のパスポート(写)
②外国政府または外国の地方公共団体(政府など)が発行した書類
(注)国外に居住する親族の〈氏名〉〈生年月日〉〈住所または居住〉の記載のあるものに限る
【②の外国政府または外国の地方公共団体(政府など)が発行した書類とは、〈戸籍謄本〉〈出生証明書〉〈婚姻証明書〉】
「送金関係書類」とは?
「送金関係書類」とは、日本に在留する外国人が、申告する年に国外に居住する親族の生活費または教育費に充てるための支払い(送金)を行ったことを明らかにするものをいいます。
①金融機関の書類まやはその写しで、その金融機関が為替取引により国外の親族に支払いをしたことを明らかにする書類
②クレジットカード会社の書類またはその写しで、そのクレジットカードを使って国外に居住する親族が商品等を購入し、その購入代金に相当する額の金銭が、日本に在留する外国人から受領した、または受領することとなることを明らかにする書類。
【送金関係書類】の種類
●外国送金依頼書の控え
●クレジットカードの利用明細書
いくつか注意点もあります。
●外国語で作成されている場合は、日本語に翻訳したものも必要です
●親族関係書類は親族のパスポート以外、原本の提出または提示が必要です
●国外に居住する親族が複数いる場合は、送金関係書類は扶養控除する親族ごとに必要になります
●国外に配偶者と子どもがいる場合は、配偶者にまとめて送金している場合には、送金関係書類は配偶者のみに対する送金が対象となり、子どもは対象外となります
「親族関係書類」については、書類の発行日に関する規定はありません。しかし年末調整より1年前以上前に発行されたものであれば、対象となる親族が婚姻等により扶養控除の対象から外れている場合もありますので十分に注意してください。
提出した書類は母国語の場合が多いため、技能実習生や特定技能外国人の扶養関係や、家族関係などを把握するためにもヒアリングを行い、良い機会ですので技能実習生などが母国の家族の生活を背負っていないかなどを確認してください。
本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。
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