2022年2月24日に公表された「水際対策強化に係る新たな措置(27)」で新規外国人の入国が2022年3月1日より再開されました。「技能実習」「特定技能」など日本で就労を希望する外国人にとって、待ちに待った再開となりました。これまで、何度も再開されては停止の繰り返しでしたので、入国する手順が多く混乱しているのではないでしょうか。
今回は、「技能実習」に関して入国する手順とそれに伴う申請について、簡単に説明していきたいと思います。

(1)措置に係る基本的なことについて

今回の対策で、いつから外国人の新規入国が認められていますか?

2022年3月1日午前0時(日本時間)からです。

新規外国人の入国が再開されたけど、どんな目的の外国人が入国できますか?

観光目的以外の外国人です。具体的には、「商用・就労等の目的の短期間の滞在(3ヶ月以内)」又は「長期間の滞在」の外国人です。
※長期間の滞在の外国人は、日本国内に所在する受入責任者が〈入国者健康確認システム(ERFS:エルフス)〉に申請が完了した場合は入国が認められます。

「受入責任者」はどんな立場の人の事をいいますか?

「受入責任者」とは入国する外国人を〔雇用する〕〔招へいする〕〔受け入れる企業〕などの団体などを言います。
「技能実習」は受け入れ企業(実習実施者)
「特定技能」は受け入れ企業(特定技能所属機関)
「留学」は学校

〈入国者健康管理システム(ERFS)〉の申請は受入れ企業しかできませんか?

「技能実習」は監理団体に委託した場合、申請手続きを監理団体が行うことも可能です。
(注)この場合であっても、受入責任者は受け入れ企業(実習実施者)になり、誓約に違反した場合の責任は受け入れ企業となります。

「受入責任者」の受け入れ企業は申請の他に、求められることはありますか?

①外国人の待機期間中、待機施設(原則、個室管理)を確保すること
②毎日の健康管理をすること
③入国者健康管理システム(ERFS)に事前に申請して〈受付済証〉を入手すること
④〈受付済証〉を入国する外国人に送付し、外国人が〈受付済証〉と〈査証申請書〉を持って、在外公館で査証申請すること

⑤在留資格認定証明書の作成日が延長措置期間の場合、受入機関は「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容のとおり受入れが可能である」ことを記載した申立書を提出すること

在留資格認定証明書の有効期間はあります。技能実習生がいつ入国できるかは不明ですが、すでに外国人技能実習機構に〈技能実習実施困難時届出書〉を提出している場合、あらためて技能実習計画認定申請をしないといけませんか?

あらためて技能実習計画認定申請をする必要はありません。技能実習生の入国後〔技能実習期間の変更〕として〈技能実習計画軽微変更届出書〉を提出します。
(注)受け入れ企業、監理団体が変わる場合は、新たな技能実習計画の申請が必要です。

(2)措置に係る申請について

〈受付済証〉を入手するには、どのように申請すれば良いですか?

これまでのような業所管省庁への申請ではなく、厚生労働省の入国者健康確認システム(ERFS)へ統一されました。事前にオンラインで申請します。

技能実習生の入国ですが、以前の水際対策措置のように、在留資格認定証明書の交付時期順に申請しますか?

今回は、在留資格認定証明書の交付時期による申請の制限はなくなりました。このため技能実習生の入国の順番は、受入責任者の準備と、入国者総数の上限範囲内で入国ができます。

技能実習生が入国するに当たって、どのような手続きが必要か教えてください。

受入責任者は以下の手続きが必要です。
【入国前】
①日本に入国を予定している外国人が、まだ日本に入国を希望しているかの意思を確認する
②入国したい意思を確認したら〔入国後講習〕〔入国後の待機施設の確保〕〔PCR検査の手配と日程の調整〕などの準備をします。
④入国者健康確認システム(ERFS)に新規入国オンライン申請をします。その後〈受付済証〉がオンラインで発行されます。※発行には1~2日程度かかります
⑤〈受付済証〉を入国者に送付し〈受付済証〉〈査証申請書類一式〉を、在外公館で査証の発給を申請します。※問題ない場合、申請が受理された翌日から5業務日程度かかります
⑥入国にむけて〈航空チケットの手配〉〈出国前72時間以内のPCR検査で陰性の証明〉をします。
【入国後】
⑦日本に到着したら〈出発前検査陰性証明書の確認〉〈入国時の検疫所検査〉〈入国者健康居所確認アプリ(MySOS)のインストール〉をします。そして確保している待機施設に移動できるよう送迎・案内します。
※一部の空港(関西国際空港)では、日本入国前にウェブ上で検疫手続きの一部を〈ファストトラック〉を利用し事前に済ませることができます。
⑧外国人が待機施設で待機しているか、健康状態などを電話やメールで確認します。
※感染防止対策を徹底します(不織布マスク、消毒などの準備)

在外公館に査証申請する時に必要な書類を教えてください。

入国者健康管理確認システム(ERFS)で発行された〈受付済証〉〈査証申請書類一式〉が必要です。
(注)在留資格認定証明書の作成日が延長措置期間の場合、受入機関は「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容のとおり受入れが可能である」ことを記載した申立書も一緒に提出すること

ここまで入国前の準備についてお伝えしました。以前の水際措置と変更されている点が多くありますので、充分に注意し入国準備を行ってください。明日は入国後の待機についてお伝えしたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

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