2017年11月1日より、技能実習制度に“介護職種”
が追加されました。

技能実習制度の前には、
EPA(経済連携協定:2008年からインドネシア・
フィリピン・ベトナムと、年度ごとに
“外国人看護士”“介護福祉士候補”の受入を実施
しており、2018年時点で3カ国を併せ5,600人を
超えています。)
を通じ、介護職種を受入れています。

日本はすべての業種に対し、どこも労働力不足
に悩んでいます。とりわけ、“介護分野”での
労働力不足は、皆さんもご存知だと思います。

しかし、“EPA”も“技能実習制度”も労働力不足を
補う制度ではありません。

「技能、技術又は知識の開発途上国への移転を
図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに
協力する」

しかし、介護分野というのは、他の分野に比べ、
とても繊細で難しい分野です。
仕事をする相手は、機械でも野菜でもなく人間です。

日本人が行うことも難しいと思います。
しかし、日本語もままならない、母国で数ヶ月
研修を行っただけの技能実習生が行うには、
難しい作業だと思います。

こんな記事を目にしました。
(2019年9月18日 DIAMOND onlineより)

外国人実習生の中でも、特に“中国人介護
技能実習生”に対する期待は大きかった。
その理由は、
1)中国人と日本人は同じ西洋人
2)容姿が似ている
3)文化的にも高齢者が親しみを感じやすい
4)感じが読めるため、日本語を覚えやすい
5)日本語能力試験に受かりやすい
6)一人っ子政策で中国での少子高齢化が進んで
おり、介護に関心を持つ人が多い

しかし、実はあまり知られていないが、中国の
介護現場も日本以上に深刻な人手不足です。
中国では、現在の人口が2億人。“要介護”の
高齢者が4,000万人。
介護に対する需要は大きいが、介護の職に
就こうとする人は極めて少ないそうです。
介護職は1,000万人の労働力に不足と指摘されて
います。

そもそも中国には「お手伝いさん文化」がある。
昔、お手伝いさんは「下人」と呼ばれ、人の世話
をする人、仕える人に対して、昔から偏見と
差別は今もなお、根強く残っているそうです。
若い世代の人が介護の仕事をやりたいと
思っても、親がさせないケースがあるそうです。
世間体があるからです。

ですから、中国の都会の介護現場で働いている
9割は、40~50代の、出稼ぎの女性です。
これまで田舎で生活し、まともな教育も受けた
ことがない。字が読めない人も少なくないそうです。

では、日本で働いている介護技能実習生はどうでしょうか?
介護に興味があるのか、ただ単に日本に来たかっただけか。

現に、介護現場の日本人職員からはこんな声が
上がっているそうです。

「ただでさえ忙しいのに、実習生の面倒まで見るのは大変」

介護技能実習生の仕事を指導し、生活をサポート
するため、それなりの人を配置する必要があり、
手間がかかる。介護現場では日本人スタッフが
つきっきりでサポートしなくてはならないことが
多くあるそうです。

●介護事業者⇒労働力不足を介護技能実習生で補う
●介護現場⇒介護職に慣れるまで、相当なサポートが必要で大変

EPA、技能実習制度、特定技能と“介護分野”を
支える人たちは、これからもっと増えていきます。
特定技能では60,000人の受入を予定しています。

介護事業者や、登録支援機関などが、これから
どのように介護開国人就労者をサポートできるか
が、大きな課題になると思います。

本日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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